ベトナム発のフレグランスブランド「d'Annam(ダナム)」が2026年3月、タイのソウルフードをテーマにした新作オードパルファム「Mango Sticky Rice(マンゴースティッキーライス)」を発売した。完熟マンゴーとクリーミーなココナッツミルク、もち米を主役に据えたユニセックス香水で、タイ最愛のデザートを香りで忠実に再現している。アジアの食文化をフレグランスで表現することをブランドの軸に据えるd'Annamが、米・フルーツ・ミルクの三位一体を繊細な調香で形にした一作だ。Trend Hunterでも「8.9」の高スコアを獲得し、フードインスパイア系フレグランス市場における注目トレンドとして取り上げられた。ライスノートが牽引するグルマン香水の新潮流©Unsplashフレグランス業界では近年、バニラやキャラメルに代表される「甘すぎるグルマン香水」への反動として、より穏やかで肌なじみのよいライスノート(お米の香調)への注目が高まっている。米の香調は肌の上でウォーミーかつミルキーに漂い、ヘビーな甘みを押しつけることなく日常使いに適した官能性を醸し出す。d'Annamの「Mango Sticky Rice」はこのライスノートを基軸に、完熟マンゴーの果実感とコナッツミルクのまろやかさを重ね、「グルマン・ミニマリズム」と呼ばれる抑制された食系フレグランスのカテゴリを体現している。ブランドはアジア文化の香り表現を一貫したテーマとしており、今作はその集大成ともいえる仕上がりだ。今後、同様のカルチャードリブンな調香アプローチはニッチ香水市場全体に広がっていくと見られている。アジア食文化が香水市場を動かす©Unsplash消費者からは「デザートそのものをまとっているよう」との反応も見られ、食の記憶と香りを結びつけるプルースト効果への関心が購買動機として機能しているとも考えられる。特にアジア系ディアスポラや東南アジア食文化に親しむ層を中心に、「自分のルーツや思い出の食を身にまとう」という新しい香水の楽しみ方が共感を集めている。ローカルメモマンゴースティッキーライスはタイでは屋台から高級レストランまで日常的に食べられる国民食だ。もち米をココナッツミルクで炊き、完熟マンゴーを添えたこのスイーツは、旅行者にとっても忘れがたい味わいである。その記憶を香水という形で「持ち帰る」発想は非常に秀逸だ。食と香りの境界を溶かすこのアプローチは、アジア食文化への世界的関心が高まる今、フレグランス市場において大きな差別化要因になり得ると感じる。参考URLTrend Hunter記事https://www.trendhunter.com/trends/dannam-mango-sticky-riceTOP Image©d'Annam