概要タイで人気タピオカ店「Fire Tiger(ファイヤー・タイガー)」などを手掛ける経営者と、飲食店グループ「Yuzu Group(ユズ・グループ)」は、著名インフルエンサーを共同創業者に迎え、新カオマンガイブランド「カオマンガイ・ニイハオ、パトゥー&ミックス・チャルームシー」を立ち上げた。主なターゲットはZ世代で、手頃な価格で高品質な食事を手軽に楽しめるデリバリーサービスとして展開。インフルエンサーが事業に深く関わるという新しいコラボレーションモデルは、タイの食品業界で注目を集めている。インフルエンサー共創の革新的な事業モデル画像:インフルエンサーのパトゥー氏(左)とミックス・チャレムスリー氏この事業は、インフルエンサーのパトゥー氏が「手頃で美味しく、安全なカオマンガイのブランドを作りたい」と提案したことから始まった。新ブランドは「クラウドキッチン+デリバリーファースト」モデルを採用。Yuzu Groupが持つ既存の厨房施設や運営システムを活用することで、店舗開発コストを大幅に削減し、迅速な市場投入を実現した。主要な販売チャネルは、タイで広く使われるフードデリバリーアプリ「LINE MAN Wongnai(ラインマン・ウォンナイ)」である。事業パートナーは3つの世代を代表しており、Z世代のインサイトを持つミックス氏、幅広い層に影響力を持つパトゥー氏、そして運営を支えるYuzu Groupという構成だ。これにより、幅広い顧客層へのアプローチを可能にする。まずサイアムスクエアを拠点に開始し、今後は「Yuzu Suki」の既存8店舗にクラウドキッチンを拡大、将来的には全国配送を目指す。韓国米と豊富なソースで生む新たな食体験©︎カオマンガイ・ニイハオ同ブランドは、商品開発で他店との差別化を徹底している。主食の米には韓国米を採用し、通常の「ข้าวมัน(カオマン)」と呼ばれる鶏脂で炊いたご飯のほか、ガーリック、高菜、タロイモ味など4種類を用意。鶏肉は低温調理法「スヴィ」で柔らかく仕上げ、揚げ鶏のオプションもある。ソースは伝統的な海南(ハイナン)風の他にガーリックソースやオレンジソースなどを揃え、食感のアクセントとして唐辛子のフレークを提供するなど、利用者が自分好みの味を楽しめる工夫が凝らされている。ローカルメモタイの国民食であるカオマンガイを、インフルエンサーの影響力と現代的なビジネスモデルで再定義する試みは非常に興味深い。単なる広告塔ではなく、インフルエンサーを「共同創業者」として巻き込むことで、ブランド立ち上げ初期の認知度獲得という課題を巧みにクリアしている。クラウドキッチンを活用した迅速な展開も、競争の激しい市場で優位に立つための賢明な戦略だ。しかしインフルエンサー個人の人気に頼る側面は、長期的なブランドの持続性という点でリスクも伴う。最終的にはその独特な商品力が口コミを呼び、リピーターを獲得できるかが成功の鍵となるだろう。TOP Image©︎PhotoAC