インドネシア保健省は2026年4月14日、即席・テイクアウト食品と飲料に「ニュートリレベル(Nutri-Level)」栄養表示を義務付ける省令(HK.01.07/MENKES/301/2026)を発布した。対象は大規模な飲食チェーンや飲料事業者で、砂糖・塩・脂肪(GGL)の過剰摂取を抑制し、糖尿病や心血管疾患などの非感染性疾患を減らすことが目的だ。カラーコード付きA〜Dグレード制と段階的義務化の背景©︎Unsplashニュートリレベル制度では、製品の栄養プロファイルをAからDの4段階でグレード評価し、緑(優良)から赤(糖・塩・脂肪が高い)のカラーコードで前面ラベルに表示する。シンガポールなど東南アジア各国の先行事例を参考に設計された仕組みで、メニュー・包装・チラシ・デジタル注文プラットフォームなど複数の消費者接点での掲示が求められる。 現時点の義務対象は大規模飲食事業者に限られており、中小・零細企業(MSME)は適用外だ。2027年以降は規制調整を経て強制適用範囲を段階的に拡大する方針で、保健省(Kemenkes)が即食品の表示を、医薬品・食品監督庁(BPOM)が加工・包装食品の表示をそれぞれ管轄するデュアル規制体制が敷かれている。甘味飲料が最初のターゲット、製造・包装業界への波及も©︎Unsplash今回の省令では、砂糖の過剰摂取源として特定された甘味飲料が最優先の規制対象となっている。大手飲料チェーンは早急な対応が求められる一方、この動きは低糖飲料・機能性食品・ヘルスウェルネス訴求の再配合製品など新カテゴリーの商機でもある。東南アジア最大の経済圏であるインドネシアで標準化された前面栄養表示が広まることで、多国籍食品・飲料メーカーにはコンプライアンス対応と差別化戦略の両立が課題となる。ローカルメモインドネシアではバブルティーやスイーツ系ドリンクが若者を中心に爆発的に普及しており、砂糖過剰摂取は深刻な社会問題だ。街中のカフェや屋台では甘さの調整(例:「less sweet」オーダー)が一般化しているが、表示義務化によって消費者の意識はさらに変わるだろう。日本の食品メーカーにとっては、低糖・減塩製品でインドネシア市場に参入する絶好の切り口になる可能性がある。現地パートナーとの配合見直しや包装変更も含め、早めの市場調査が重要だ。参考URLAsia Pacific Food Industry(APFI)記事https://www.apfoodonline.com/industry/indonesia-mandates-nutri-level-labelling-for-ready-to-eat-food-and-beverages/TOP Image©Unsplash