概要昨今の消費者は、美味しさや機能性だけでなく、「生活の改善」や「ストーリー性」を飲料に求めており、2026年はその傾向がさらに強まると見られている。そのため2026年の飲料業界では、製品開発そのものの在り方を再定義する必要がある。全米レストラン協会の2026年版レポートによれば、「より健康的で機能的なメリット」や「よりパーソナライズされた体験」を求めて消費者行動が変化している。今後10年間の飲料開発では、消費者の生活モデルや要望への深い理解が必要とされる。ベトナムの飲料メーカーTAN DO BEVERAGE(タン・ドゥ・ビバレッジ)は、2026年の飲料メーカーに求められる要素を分析している。「体験」や「生活習慣」から製品をデザインする従来、多くのメーカーでは「機能性成分が多いほど魅力的」だと考えられてきた。しかし、消費者は成分を見極めることに疲弊し始めている。そこで重視されるようになったのが、「体験」や「生活習慣」だ。昨今の消費者は、機能性そのものより、飲んだ時の感覚や、一日の中でその製品を飲むタイミングを重視している。例えば、ジュースやソーダは朝、エネルギー維持を謳った機能性飲料は昼、リラックス効果のある飲料は夕方など、時間帯ごとに分けてターゲットを定めるのが望ましい。「風味」によって消費者の感情を動かす飲料の「風味」はもはや潜在層を惹き付けるだけでなく、消費者の感情を左右する要素となっている。「スウィーシー(甘さ+辛さ)」、東南アジアのパンダンや日本の柑橘類といった地域の特産フレーバー、ノスタルジックな風味といった近年の飲料トレンドは、消費者の心を掴んだ点が共通している。©Unsplash機能性は「トレンド」から「日常生活の基盤」へプロテインや食物繊維、プロバイオティクスといった機能性は、一過性の「トレンド」から「日常生活の基盤」へ変わりつつある。特に、GLP-1療法が普及したことで、満腹感や消化の良さ、代謝バランスを重視する消費者が増えている。プロテインや食物繊維を強化した飲料は、口当たりや風味、消化の悪さという課題に直面しがちだ。これらの課題を解消し、「毎日快適に飲める飲料」が市場を制するだろう。清涼飲料水に近く、飲みやすいプレバイオティクスソーダが人気を博しているのも、こうした消費者の要望を示している。©Unsplash また2026年には、アダプトゲンや向知性薬、植物エキスを含む「マインドフルネス」強化飲料がますます注目を集めると予想される。ただしこれらの飲料は、飲みすぎによって心身の不調をもたらすリスクもある。AIを「選別のフィルター」として活用する現在、トレンド予測や成分設計、試作品テストなどの段階で、すでにAIを導入しているメーカーは少なくない。AIは今後、飲料開発のあらゆるプロセスを加速させると見られている。TAN DO BEVERAGEによれば、AIの最大の価値はより多くの製品を生み出すことではなく、「作らなくてよい製品」を選別することだ。この点を意識して活用すれば、AIは効果的な「フィルター」の役目を果たす。ローカルメモ健康志向は高まっているが、結局はストイックなものより「おいしく続けられる」ものが勝つのは日本の市場でも同じだろう。特にコンビニの棚を見ていると次々と新商品が出るが、定番として残るのは、例えば「仕事中のリフレッシュに」といった具合に、特定のシーンで飲みたくなる「理由」がはっきりしているものだ。この記事が指摘するように、これからの飲料は薬のように機能を羅列するのではなく、生活に寄り添う「相棒」のような存在になる必要があるのだろう。参考URLTAN DO BEVERAGEプレスリリースhttps://tandobeverage.com/beverage-development-innovation-trends-2026/Top Image:©Adobe Stock