2026年5月1日、タイ高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)は、国家イノベーション機構(NIA)、Thai Union Group(タイユニオングループ)、Mahidol University(マヒドン大学)、Thai Beverage(タイビバレッジ)、Nestlé(ネスレ・タイ)、そして新パートナーである台湾のFoodland Ventures(フードランド・ベンチャーズ)と共同で、タイ初のグローバルフードテック特化型スタートアップ支援プログラム「SPACE-F Year 7(第7期)」を正式ローンチしたという。今期は世界57カ国から過去最多204件の応募を受け付け、10カ国20社を選出。ウェルネスエコノミーを新たな経済エンジンとして掲げ、フードテックを国家成長戦略の中核に据えるとされる。タイ政府は近く内閣会議でスタートアップの食品革新製品を首相に試食してもらい、政策レベルでのアピールを目指しているとのこと。SPACE-Fが築いた6年間の実績と第7期の革新©︎UnsplashSPACE-Fは過去6年間で18カ国100社超のスタートアップを育成し、累計調達総額51億THB(約219億円)超超を達成してきた地域屈指のフードイノベーションハブだ。第7期では、インキュベーターとアクセラレーターの2プログラムを軸に、パーソナライズド栄養・フューチャープロテイン・サーキュラーフードシステムなど7つの重点領域を設定。Thai Union Groupによるたんぱく質製品の実環境試験、Mahidol Universityのパイロットプラント活用、ThaiBev・Nestléによる健康栄養ソリューション開発など各パートナーの強みを統合したPOC(概念実証)プロセスが最大の特徴とされる。台湾のFoodland Venturesの参画により、レストランオートメーション・代替タンパク・スマートサプライチェーンの知見を融合した「フードテックコリドー」構築も視野に入れているとのこと。注目の選出企業には、精密発酵で動物性不使用の高機能脂肪を開発するオーストラリアのNourish Ingredients(ノーリッシュ・イングリーディエンツ)や、電磁場技術で食品の品質を保持するシンガポールのAgrifreeze(アグリフリーズ)など、各国から先進技術を持つ企業が名を連ねるという。ウェルネスエコノミーが照らす消費者への恩恵©︎Unsplash今期のプログラムはウェルネスエコノミーを前面に掲げており、NCD(非感染性疾患)患者向けAI食事管理プラットフォームや母乳に近い機能性タンパクの精密発酵、犬猫向けビタミン入りゼリーペットフードなど、消費者の健康・生活に直結するソリューションが多数含まれる。エクイティ不取得(No Equity Taken)の方針を継続しており、スタートアップが自社の革新を完全に保持しながら事業を拡大できる仕組みが消費者にとっても多様で競争力ある製品の誕生を促す。ローカルメモタイのフードテック支援がここまで本格化した背景には、国産食材の競争力強化という切実な事情がある。MHESIの大臣が「どんなに高度な技術でもタイらしい味を保たなければならない」と発言したように、タイ料理の豊かな食文化と先端技術の融合が国際競争力の核心だ。国内のバイオダイバーシティやGI産品(地理的表示産品)を活かした原材料の国産化は、輸入依存からの脱却と独自アイデンティティの確立を同時に狙う、タイならではの現実的な戦略といえる。参考URLMedia OutReach Newswire記事https://www.media-outreach.com/news/thailand/2026/05/02/462765/mhesi-joins-partners-to-launch-space-f-batch-7-pushing-thai-foodtech-to-the-global-stage-highlighting-the-wellness-economy-as-a-new-economic-engine/TOP Image©Unsplash