概要インドネシア産酒類の流通には独自の規制があり、酒類の製造や販売にはライセンスが必要となる。しかし、その取得や運用には多額のコストがかかり、地元の酒類メーカーを圧迫していた。インドネシア工業省はこの度、バリ島の地酒「アラック」の生産・流通を支援する事業ライセンス制度を正式に開始した。これにより、アラックの地元生産者にとって製造・販売・輸出へのハードルが下がり、さらなる発展が期待されている。©Arak Bali Dewi Sriインドネシアにおける酒類販売の壁インドネシアにおける酒類の製造・販売にはさまざまな手続きが必要だ。カテゴリーC(度数20%以上の酒類)の許可申請には4,000万~7,500万ルピア(約37万~70万円)以上の費用がかかるとされる。多くの生産者は、ライセンスの手続きや運用を第三者企業に委託しており、そのコストに長年苦慮していた。政府がアラックに正式な事業ライセンスを交付アラックはヤシの実や米を原料とするバリ島の伝統的な蒸留酒。アルコール度数は20~40%で、カテゴリーCに含まれる。2026年1月29日、バリ島バドゥン県で開催された「第6回バリ・アラック・デー記念式典」にてインドネシア工業省は、地元のアラック生産者に新たな事業ライセンスを交付した。©ANTARA/Ni Putu Putri Muliantariこのライセンスを交付された企業は、バリ州内の酒類生産と流通を管理できるようになる。このライセンスによってアラック生産者は、原材料の生産農家とのコミュニケーションや製品の品質管理、職人の育成などに注力できると見られる。それにより、バリ島産アラックは伝統的な製法を維持しつつ、品質向上につながると期待されている。バリ州知事のWayan Koster(ワヤン・コスター)氏は、「この新ライセンスにより、地元生産者にとって最後の大きな障壁の一つが取り除かれました」と述べた。この新ライセンスは、バリ島全土の約1,500人のアラック生産者と原材料農家を支援するという。アラックの輸出もさらに拡大か新たな事業ライセンス制度の開始により、アラックのさらなる市場拡大や、輸出量の増加も予想される。インドネシア工業省によれば、2025年1~11月の輸出総額は1,575万ドル(約24億7,000万円)で、最も多くを占めるのがカテゴリーCの酒類だった。主な輸出先はタイ、中国、オランダ、アラブ首長国連邦などだ。©Arak Bali Dewi Sri同省のPutu Juli Ardika(プトゥ・ジュリ・アルディカ)氏は、「インドネシア産酒類の需要は、世界的に、そして持続的に拡大しています」と述べた。また、インドネシアを訪れる外国人観光客の45%がバリ島を観光していることについて、インドネシア政府は「アラック生産者にとってのチャンス」と捉えている。ローカルメモバリ島のアラックは、これまで品質が不安定で、残念ながら密造酒による中毒事故のニュースも耳にすることがあった。今回の政府による公式ライセンス交付は、まさに画期的な一手だと感じる。品質管理と安全性が保証されることで、アラックは単なるローカルな酒から、世界に通用するプレミアムスピリッツへと生まれ変わるだろう。生産者の生活が安定し、伝統文化が正当に評価されることは観光業にも良い影響を与え、バリ島の新たな魅力を創出するに違いない。今後の展開が非常に楽しみである。参考URLInvest Indonesia誌記事https://investindonesia.co.id/2026/01/30/traditional-bali-arak-enters-regulated-and-global-market/TEMPO誌記事https://en.tempo.co/read/2083943/how-the-alcohol-beverage-industry-supports-indonesias-economyLMI Consultancy記事https://www.lmiconsultancy.com/indonesia/alcohol-license-in-indonesia/SYNERGY PRO記事https://www.wearesynergypro.com/news/exposing-the-true-cost-of-alcohol-licenses-in-bali-2025-investor-guide-to-siup-mb-taxes-legal-hurdlesTop Image:©Pixabay