タイで30年以上の歴史を持つレストランチェーンであるSizzler(シズラー)は、「特別な日の食事」という従来のイメージから脱却し、「日常的に利用できる食事の場」へと大胆なブランド転換を図っているという。同社はデータに基づき、自社の最大の強みであるサラダバーを前面に押し出し、「サラダバーの王者」としての地位を確立する新戦略を始動させたとのことだ。この戦略転換は、健康や利便性、体験価値を重視するタイの消費者ニーズに応えることを目的としており、体験型マーケティングを駆使して市場に新たなインパクトを与えているという。データが導いた「サラダバー」中心戦略©︎SizzlerかつてSizzler(シズラー)はステーキを提供する特別な店と認識されていたが、顧客データ分析から、来店者の主な目的がステーキではなくサラダバーにあることが判明したという。タイの消費者が求めるものが「たまの贅沢」から「頻繁に利用できる質の高い食事」へと変化したことを受け、同社は事業の核をサラダバーへとシフトしたとのことだ。35年の経験と強固なサプライチェーンを武器に、多彩なメニューを展開し、健康志向層や家族連れなど新たな顧客層の獲得に成功したとされる。現在タイ国内に66店舗を展開する同社は、立地や客層に合わせた多様な店舗フォーマットを導入したとのこと。サラダバーを249バーツ(約1,070円)という手頃な価格で提供することで、利用頻度と顧客単価の向上を両立させ、日常的な選択肢としてのブランドイメージを確立しつつあるという。体験型イベントでブランドを身近に©︎Unsplash同社はブランド体験を重視し、大規模な体験型イベントである「Salad Bowl(ing)(サラダ・ボウリング)」を開催したという。このイベントでは、サラダバー、スープ、チーズトーストといった店の人気メニューが巨大な遊具やインスタレーションとなり、来場者はブランドの世界観を五感で楽しむことができるとされる。単なる広告ではなく、楽しい「体験」を通じて顧客との感情的なつながりを深め、イベント参加者を実店舗への来店へと誘導する巧みな仕組みを構築したとのことだ。ローカルメモ現代のマーケティングにおいて、商品の品質が一定水準に達しているのは当然であるHygiene Factor(ハイジーンファクター/衛生要因)であり、ブランドの成功はいかに記憶に残る「体験」を提供できるかにかかっている。シズラーの事例は、自社の最も強力な資産(サラダバー)を再定義し、それを店舗の外に持ち出して巨大な遊び場に変えるという非常にクレバーな戦略だ。特にタイの消費者はSNSでの共有を好むため、写真映えするインタラクティブなイベントは効果絶大である。一過性の話題作りで終わらせず、来店を促すインセンティブまで設計されたマーケティングループは、多くの既存ブランドが参考にすべき見事な一手だと感じる。参考URLMarketing Oops!記事https://www.marketingoops.com/news/brand-move/sizzler-king-of-salad-bar/TOP Image©Unsplash