タイの大手銀行アユタヤ銀行の調査部門Krungsri Research(クルンシィリサーチ)が、タイにおける単身世帯の急増と、それに伴う新たな市場「3Sエコノミー」の到来を報告したという。調査によると、2025年にはタイの単身世帯の割合は29.5%と世界平均を上回り、2042年には40%に達する可能性があるとのことだ。このトレンドは、単に「独身者」だけでなく、配偶者の有無にかかわらず一人で生活する「一人暮らし」層全般を指すとされる。彼らは自由や利便性、自己投資としての健康を重視しており、個人の生活に特化した商品やサービスへの需要が急速に高まっているという。単身世帯のリアルと新たな経済圏©Unsplash同調査では「独身者」と「一人暮らし」を区別し、後者は既婚者やパートナーがいる人々も含むため、市場がより広範であることを指摘しているという。一人暮らし層は、コンドミニアムに住み子供がいない傾向が強く、特定の年齢や所得層に偏らない多様なタイの消費者グループを形成しているとのことだ。このような背景から、同調査は「Single(独身者)」「Solo(一人暮らし)」「Silver(高齢者)」の頭文字をとった「3Sエコノミー」という新たな経済圏を提唱したとされる。この市場のタイの消費者は自己決定権を重んじ、特に健康への関心が高いという。一人暮らしの30%が毎週運動するなど、自己管理への投資を惜しまないとのことだ。将来の介護需要を見据え、専門的なケアサービスへの関心も高く、不動産、金融、健康、テクノロジーなど多岐にわたる業界で、個人の生活全体を支える統合的なサービス設計がビジネスチャンスとなるという。自由と健康を重視するソロライフの価値観©Unsplash調査対象者の一人暮らし層は、最大の利点として「自由」(58%)を挙げたという。他人に合わせる必要なく、食事や買い物、旅行などを自分の意思で決められる消費スタイルが特徴とされる。また、将来一人で生活するための準備として最も重視するのは「心身の健康管理」(62%)であり、自己の独立を維持するための基盤と捉えているとのことだ。この価値観は、単に小型化された商品ではなく、個人の生活の質を高め、自立を支えるウェルネス関連のサービスや商品への強い需要を示唆しているという。ローカルメモタイで単身世帯が急増し、2042年に40%に達する可能性があるという予測は非常にインパクトがある。記事が提唱する「3Sエコノミー」という概念は、単なる「おひとりさま」向けビジネスの枠を超え、独身者、一人暮らし、そして高齢者という重なり合う層を捉えており、示唆に富む。特に、健康や将来への備えといった自己投資への意欲の高さは、日本を含む多くの先進国・中進国で共通する潮流だろう。個人の自立した生活を、商品だけでなく金融や不動産を含めた「システム」としてどう支えるかが、今後のビジネスの重要な鍵となると感じた。参考URLMarketing Oops!記事https://www.marketingoops.com/reports/thai-solo-living-3s-economy/Krungsri Research 公式サイト https://www.krungsri.com/en/research/homeTOP Image:©Unsplash