2025年6月23日、アメリカのテキサス州において、培養肉の販売、製造、流通を禁じる法律が成立した。培養肉(細胞培養タンパク質)とは、動物を屠殺することなく、動物の細胞を採取し、実験室内で栄養分を与えて増殖させて作られる食用の肉である。従来の畜産とは異なり、環境負荷の軽減や動物福祉への貢献が期待されているが、その技術や安全性をめぐっては議論も多い。今回の法律は2025年9月1日から施行される予定で、テキサス州は同様の規制を導入した全米で7番目の州となる。この措置の主な目的は、伝統的な畜産業を保護することにあるとされており、違反した事業者には罰則が科されることになっている。イノベーションと消費者選択への重大な懸念この法案の支持者は、消費者の安全と伝統的な畜産業の保護を目的とした措置だと主張している。培養肉の長期的な安全性にはまだ不確実な部分があり、時期尚早だという見方もある。一方で、政策シンクタンクのTexas Policy Researchなどは、今回の禁止措置が新たな食産業の芽を摘むと強く批判している。細胞農業は環境への負荷を抑えつつタンパク質を供給できる可能性を持つが、こうした法規制により技術革新の余地が狭まり、経済的な機会も失われかねないという。さらに、培養肉を選ぶかどうかは本来消費者が決めるべきであり、その自由が奪われることへの懸念もある。州政府が既存の畜産業を優遇することで、市場の公正な競争環境が損なわれるとの声も上がっている。出典Vegconomist記事https://vegconomist.com/politics-law/texas-joins-growing-list-states-enacting-cultivated-meat-bans/TOPimage©Vegconomist