ベトナムのEC(電子商取引)市場が、Shopee(ショッピー)とTikTok Shop(ティックトックショップ)の二強体制へ急速に再編されつつある。調査会社Q&Me(キューアンドミー)の「ベトナムEC市場レポート2026」によると、2025年5月〜2026年4月の主要4社の流通総額(GMV)は前年比37%増の136億ドル(約2兆1,352億円)に達した。首位Shopeeのシェアは61%から53%へ低下する一方、TikTok ShopはGMVが83%増の59.6億ドル(約9,357億円)となり、シェアを33%から44%へ伸ばした。中でも食品・日用品のネット購入が拡大し、生活必需品の買い方そのものが変わりつつある。日常消費のオンライン移行が加速©︎UnsplashTikTok Shop急伸の背景には「ショッパーテインメント」と呼ばれる新潮流がある。買い物・ライブ配信・短尺動画を融合させた手法で、ブランドや小売事業者はマーケティング予算をライブコマースやインフルエンサー販売へと振り向け始めたという。同サービスはもはや実験的な販路ではなく、Shopeeと正面から競う主力チャネルとされる。もう一つの大きな変化が、日常的な家計支出のオンライン化だという。食品・グロサリー分野は売上が45%増の12.4億ドル(約1,947億円)へ伸び、乳製品や卵はほぼ倍増した。おむつなど高頻度の買い替え品も2倍以上に拡大。ベトナムの消費者が嗜好品だけでなく、毎日の必需品までネットで買う段階へ移ったことを示す。今後はこうした反復購買がEC成長の柱になる見通しだという。偽造品問題と「真贋」への不安©︎Unsplash一方で、商品の真贋や信頼への懸念も強まっている。健康関連商品は唯一マイナス成長となり、機能性食品は偽造品スキャンダルの影響で22%も落ち込んだ。2025年には当局が700超の製品を回収し、100トン以上の偽造品を押収したと報じられる。ベトナムの消費者の67%が「真贋保証」を改善要望の筆頭に挙げており、信頼できる販路の価値が高まっている。ローカルメモベトナムの都市部では、若者がスマホ片手にライブ配信を眺めながら買い物する光景が日常になっている。深夜まで続く配信セールは、もはやエンタメの一種だ。一方で「安いけれど本物か不安」という声も根強い。特に健康食品やサプリは口コミと実店舗を頼る人が多い。価格の安さと信頼性、この二つをどう両立させるかが、現地ブランドの腕の見せどころである。参考URLThe Investor記事https://theinvestor.vn/tiktok-shop-narrows-gap-with-shopee-as-vietnam-e-commerce-becomes-duopoly-d19240.htmlTOP Image©Unsplash