2026年5月20日、インドネシアのPrabowo Subianto(プラボウォ・スビアント)大統領は議会で、パーム油や石炭など主要資源の輸出を国営企業(BUMN)に一元化する方針を表明したという。「安売り」で約90億ドル(約1兆4,130億円)の収益を逃したとし、輸出を国の管理下に置くことで税収と国家収入を最大化する狙いとされる。輸出窓口となる国営企業はDanantara Sumber Daya Indonesia(ダナンタラ・スンベル・ダヤ・インドネシア、DSI)と名付けられた。インドネシアは石炭・パーム油・ニッケルで世界最大級の生産・輸出国であり、世界の食品サプライチェーンと価格への影響が懸念されている。輸出一元化の背景と移行スケジュール©︎Unsplash政策の目的は、輸出活動の監視強化と、過少請求・移転価格・収益流出への対策にあるとされる。同政策ではすべての輸出収益がまずDSIに入り、その後に各輸出企業へ渡る仕組みとされる。大統領はサウジアラビアやロシア、隣国マレーシアやベトナムを手本に挙げたという。移行は3か月ずつ二段階で進むという。2026年6月1日から8月31日までは企業と買い手の取引を継続しつつ、輸出書類のみをDSI経由で提出するとされる。9月1日以降は契約・出荷・支払いを含む輸出全体をDSIが完全に管理するとされる。ただし手数料や価格算定方法など運用面の詳細は未確定で、専門家は不透明さを指摘している。食品価格への影響と消費者の懸念©︎Unsplashパーム油は独特の汎用性を持ち、食品製造の主役として今も代替が難しいとされる。石炭も食品工場のボイラーや殺菌・乾燥の熱源として欠かせないとされる。政府の管理強化は価格上昇を招きやすく、世界の食品・飲料が店頭でさらに値上がりする恐れがある。発表直後にはインドネシアの大手企業の株価が急落したという。ローカルメモインドネシアにとってパーム油は単なる輸出品ではなく、地方経済と何百万もの農家の生計を支える基盤だ。だからこそ「安売りで国富が流出した」という大統領の訴えは、国民感情に強く響くのだろう。一方、現地の業界団体は世界一の地位は永遠ではないと冷静だ。価格が上がりすぎれば買い手は大豆油や菜種油へ移る。国の威信と市場の現実、その間で小規模な貿易会社ほど厳しい立場に置かれそうである。参考URLFoodNavigator-Asia記事https://www.foodnavigator-asia.com/Article/2026/05/25/indonesia-palm-oil-export-controls-impacts-on-global-food-sector/TOP Image©Unsplash