米バーモント州とカナダ・ケベック州にまたがるメンフレマゴグ湖では、2012年頃からブラウンブルヘッド・ナマズ(Ameiurus nebulosus)の皮膚に黒い腫瘍が多発する現象が報告されていた。バーモント大学などの研究チームが全ゲノム解析を行った結果、この腫瘍は個体間で伝染するメラノーマ(悪性黒色腫)であることが判明し、2026年7月に学術誌Nature(ネイチャー)で発表された。魚類における伝染性がんの確認は世界初で、イヌ、タスマニアデビル、二枚貝類に次ぐ4例目となる。感染経路と食の安全性研究チームによると、腫瘍細胞のミトコンドリアおよび核ゲノムは、宿主のナマズ同士より腫瘍細胞同士の方が近縁であることが分かった。ブラウンブルヘッドは産卵期に浅瀬で密集し、体表が触れ合うことでがん細胞が伝播した可能性があるという。原因として環境汚染物質との関連も指摘されているが断定はされていない。ケベック州環境省は腫瘍のある個体を食べないよう呼びかける一方、研究者は人体への健康被害を示す証拠はないとしている。今後は感染経路の特定や個体群への影響評価が課題となる。出展Food & Wine記事https://www.foodandwine.com/transmissible-cancer-detected-in-brown-bullhead-catfish-12057445TOP Image©Unsplash