インドネシア政府は2026年3月、16歳未満の子どもによるSNSおよびオンラインプラットフォームの利用を禁止すると発表した。通信・デジタル担当大臣のMeutya Hafid(ムティア・ハフィード)氏は、YouTube・TikTok・Facebook・Instagram・Threads・X・Bigo Live・Robloxなど「高リスク」とされるプラットフォームのアカウントを3月28日から順次停止すると表明。同国はこの措置により、「子どもの年齢に応じてデジタル空間へのアクセスを遅延させる、非欧米諸国として初の国」となると強調した。ポルノ・ネットいじめ・詐欺・依存症などオンライン上のリスクから子どもを守ることが主な目的だ。世界に広がる子どものSNS規制の潮流©︎Unsplashこの動きは、2024年12月に16歳未満のSNSアカウントをプラットフォームに強制ブロックさせる措置を世界で初めて開始したオーストラリアに続くものだ。スペインも同様の規制導入を表明し、英国は同様の禁止措置に関する国民向けパブリックコンサルテーションを開始するなど、各国で保護規制の整備が加速している。 インドネシアはこれまでも、AIチャットボットGrokや OnlyFans・Pornhubなど性的コンテンツへのアクセスを遮断するなど、デジタル規制には積極的な姿勢をとってきた。ユニセフの2023年の調査では、インドネシアの子ども510人のうち約半数がSNS上で性的画像に接触したと報告されており、こうした背景が今回の規制強化を後押しした。子どもと親、それぞれのリアルな声©︎Unsplash子どもを持つ親からは概ね歓迎の声が上がる一方、子ども自身は複雑な受け止めを示す。42歳の働く母親Amanda Kusumoさんは「デジタル空間での行動を常に監視する時間がない。政府の規制は親の不安を和らげてくれる」と支持を表明。しかし17歳の息子Matt Josephさんは「完全にブロックするより、もっと穏やかで賢明なアプローチがあるはずだ」と代替策を求めた。人権・プライバシーの観点からは、年齢確認のためのデータ収集が子どもの個人情報保護に反するリスクや、表現の自由を損なう可能性も専門家から指摘されている。ローカルメモインドネシアは人口2億7000万人超、スマートフォン普及率も高く、若年層のSNS利用は日常に深く根付いている。一方で家庭内の教育格差や共働き世帯の増加を背景に、子どものデジタル利用を家庭だけで管理することへの限界も顕在化している。「アルゴリズム駆動型の巨大プラットフォームとの戦いに親が孤立しないよう政府が介入する」というハフィード大臣の言葉は、現地の生活実感を率直に反映したものだ。今後、規制の実効性を担保する年齢確認の仕組みや代替的な子ども向けコンテンツの整備が課題となるだろう。参考URLBBC記事https://www.bbc.com/news/articles/cvg50168ddgoTOP Image©Unsplash